誰でもなる可能性があるうつ病

誰でもなる可能性があるうつ病

“うつ病”は現代社会においては比較的ありふれた病気になっており、世の中に広く認知され、その情報は溢れています。
“うつ病”への理解が広まるにつれて、“うつ病”という病名は曖昧に使われるようにもなってきました。
最近では、ちょっとした精神的な不調でもすぐ“うつ”と言ったりします。そこで“うつ病”とはどのような病なのか分かりやすく説明いたします。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)

いわゆるうつは、うつ病と双極性障害(躁うつ病)に大きく分けることができます。うつ病は憂うつな気分を主な症状とする病的な精神状態です。「新型うつ」もうつ病のひとつです。
一方、双極性障害(躁うつ病)はハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す状態になります。

主なうつの種類

うつ病になる要因のひとつに、環境的な要因があります。環境的な要因から主なうつの俗称として、職場うつ・女性うつ・受験うつ・介護うつなどと世間で言われることが多くなってきました。
ある物事をきっかけに発症するうつの種類はとても多様化しています。

主なうつ病の種類

●職場うつ

職場での対人関係や仕事の量や質、時間などのストレスが溜まるとうつ病を発症します。状態によっては、長期休暇や休職を取得し、休養することがとても大切です。

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●女性うつ

女性ホルモンの影響を受け、女性に特化したうつ病があります。
「月経前症候群(PMS)の一症状としてのうつ」「マタニティ・ブルー」「更年期障害に伴ううつ」がよくみられます。

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●受験うつ

受験勉強で親や自分が期待している結果が得られない場合にストレスとなり、うつ病を発症するケースが多いです。保護者のサポートが大切になっていきます。

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●介護うつ

親や兄弟などの介護を行うことで、肉体的負担・金銭的負担・精神的ストレスなどが原因となり、うつ病を発症します。
一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。

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うつ病の治療は正確な診断が重要

うつ病なのか、または双極性障害(躁うつ病)なのかを正確に把握することが大変重要です。日本で多く行われているうつ病の治療として、薬物治療がありますが、うつ病と双極性障害(躁うつ病)との違いで、薬の種類が異なってくるからです。
そこで当院では、光トポグラフィー装置を導入し、グラフデータでうつ病や双極性障害(躁うつ病)などのパターンが分かる検査を、問診と合わせて行っています。正確な診断を最も重要視しています。

慢性化したうつ病と
躁うつ病治療の新たな期待

うつ病の治療方法

うつ病の治療方法

日本では「休養」「薬物療法」「精神療法」が基本的なうつ病の治療方法と言われています。
重度のうつ病など、医師が入院を必要とした場合は、入院して治療を行う場合もあります。
入院を必要とする治療方法としては、上記以外に「電気けいれん療法(m-ECT)」があります。
さらに最近では、入院の必要のない新たなうつ病の治療法である「磁気刺激治療(TMS)」も導入するクリニックが増えています。

「休養」

うつ病の治療に最も大切なことは、心と体の十分な休養です。
自宅で休養する際、できるだけ普段のように過ごすのが良いのですが、うつ病の場合、「抑うつ気分」があるため、倦怠感やひどい疲労感を感じ、気力が低下している状態です。やりたくないことは無理してやらず、家でのんびりとごろごろしている方が良いでしょう。
たまには、散歩など軽い運動で体を動かすと気分転換になります。
休むときの環境には注意し、万が一、自宅ではのんびり休むことができない場合は、入院してじっくり休養をとるというケースもあります。当院は入院施設がないので、入院が必要な場合は、入院施設のご紹介を行っています。

「薬物療法」

うつ病の症状によって、日本では一般的に抗うつ薬が処方され治療を行います。
セロトニンやノルアドレナリンに作用する、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)などの抗うつ薬が使われることがあります。他にも三環系や四環系と呼ばれる抗うつ薬もあり、患者様の症状や状態に合わせて医師が処方します。
当院では医師が必要と判断した場合のみ、薬を処方することもあります。

医師が解説するお薬コラム

「精神療法」

精神療法では、医師や臨床心理士などのカウンセラーが、患者様の症状・悩み・不安などを聞き、対話をしながら、患者樣と一緒に問題を解決する方法を探すお手伝いをしています。精神療法には、認知療法や対人関係療法などがあります。
精神療法は、他の治療法を行いながら、あわせてカウンセリングを通じて、人間関係や社会適応能力の向上を図る為のアドバイスを行うのが一般的です。

「電気けいれん療法(m-ECT)」

重度のうつ病で、副作用などで薬物療法の効果が期待できない場合、さらに速やかな治療が必要とされる時の治療法です。自殺の危険性が高いと判断された方に行われます。
全身麻酔薬や筋弛緩剤を使用し、電気で頭部を刺激することにより、脳の痙攣を誘発し、さまざまな精神疾患によってダメージを受けた脳の機能を回復させる治療になります。
入院が必要となります。当院では入院施設がございませんので、行っておりません。

「磁気刺激治療(TMS)」

薬物治療で効果がみられない方、抗うつ薬に抵抗がある方、短期間でうつ病を改善したい方などに対して、新たなうつ病治療が日本でも普及しています。それが磁気刺激治療(TMS)です。
薬物療法にみられるような副作用もほとんどなく、最短1 ヶ月半で改善する治療方法なので、身体に負担をかけない治療法です。アメリカでは一般的な治療法となっていますので、日本でも今後期待される新たな治療法です。
当院では磁気刺激治療(TMS)の専門クリニックとして、多くの症例数を行っています。

うつ病の治療期間や治療経過について

うつ病の治療は、治療をすればすぐに良くなるというような治療ではありません。良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら、徐々に改善していきます。
治療の期間は、治療を開始する「急性期」から始まり、症状がほぼよくなる「回復期」へ進み、安定した状態が続く「再発予防期」と大きく3つの期間に分かれます。
この期間を考慮して、医師は患者様のご状態をみながら治療を行っていきます。
以前のような元気な状態に回復するまで、医師の指示に従って治療を継続することがとても重要になります。

うつ病の治療期間や治療経過について

治療法や患者様のご状態によって、治療期間や治療経過は変わりますが、一例として、薬物治療&カウンセリング、電気けいれん療法、磁気刺激治療(TMS)における平均的なうつ病の治療期間や治療経過についてご紹介します。

薬物療法&カウンセリング
治療期間 約5年
副作用 副作用あり
仕事 休職・退職
効果 約5割が改善

(1剤目・2剤目服用)

費用 約72万円

(14.4万円/年)

電気けいれん療法
治療期間 数週間~数ヶ月
副作用 身体に大きな負担
仕事 休職
効果 約7~8割が改善
費用 約50~70万円

(入院費含む)

磁気刺激治療(TMS)
治療期間 1ヶ月半~6ヶ月
副作用 副作用ほとんどなし
仕事 勤務しながら通院
効果 約8割が改善※1
費用 約60~100万円

※1 治療30回時点でHAM-Dの点数が7点以下に改善した方を寛解、半分に減少した方を軽症化とした時の割合。
新宿ストレスクリニック本院(旧新宿メンタルクリニック アイランドタワー含む)2013年6月~2016年2月現在の788人を対象とした治療結果

うつ病時の仕事や過ごし方

うつ病を発症したら、まずは十分な休養を取ることが大切です。無理して仕事をしたり、家事を行ったりするとうつ症状が悪化してしまいます。
自宅で休養しながら、食事は朝・昼・晩なるべく決まった時間帯にとり、一定の睡眠時間を保つように心掛けて、生活リズムを乱さないようにしましょう。散歩など軽い運動を取り入れるのも効果的です。

うつ病時の注意点として、うつ病の治療中は退職・退学・離婚など、人生に大きな影響を及ぼす重要な決定は、先送りにしましょう。
うつ病を発症すると、自分に自信がなくなり、将来を否定しまいがちな傾向にあります。
治療中は余計なことは考えず、病気を治すことに専念しましょう。

また、なるべく早めに精神科や心療内科を受診し、今後の仕事や生活をどうするべきか医師と相談しましょう。うつ状態が軽いうちに的確な治療をすることで、回復も早くなります。

うつ病時の睡眠について

うつ病を発症すると、まず分かりやすい症状として、睡眠の変化があります。
「朝早く目覚める」「寝ようとしてもなかなか眠れない」などの症状があらわれるようになります。睡眠がうまく取れないため、日中はぼーっとしてしまい、仕事が手につかなかったり、ミスを重ねたり、疲労からイライラしたりなど、日常生活に影響がではじめます。
睡眠不足から自分を責めたり、マイナス思考になったりするので、さらにうつ病が悪化させてしまいます。そこで、薬物療法の場合、抗うつ薬とともに睡眠薬を処方するケースが多いです。

うつ病の再発

うつ病は、一旦良くなったと思っても再発しやすい病院です。
例えば、薬物療法の場合、状態が良くなったからといって、薬の量を自己判断で減らしたり、やめたりすることは大変危険です。
状態が良くなっても、薬をしばらく服用することで再発を防げます。
また、磁気刺激治療(TMS)の場合も状態が良くなったからといって、治療を途中でやめることは危険です。
再発を防止するためには、医師の指示に従って治療を続けることです。一旦良くなっても、その後再発したかもと感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。再発を防ぐためにも、医師に相談しながら、必ず医師の指示に従って治療しましょう。

うつ病治療における家族のあり方

ご家族の方がうつ病になったら、まずは安心できる場をつくってあげましょう。安心できる空間でゆっくりすごすことで、うつ病は回復する傾向があります。
また、本人が話をするようでしたら、話を聞いて寄り添ってあげましょう。その際、頑張るように励ますことはやめましょう。なるべく、今までと変わらない態度で接することで本人は安心します。
また、うつ病の傾向があるようでしたら、医療機関へ行くことを勧めましょう。
精神科や心療内科を受診する際は、できればご家族の方は一緒に付き添うことをお勧めします。本人では気づけない症状など家族が医師に話すことで、より的確な診断をすることができます。
うつ病は一進一退をくりかえしながら回復に向かっていきますので、本人の変化にご家族の方が一喜一憂せず、長い目でそっと見守り、支えることが大切です。

大切な人のうつについて

うつ病についてよくいただくご質問

最近、落ち込み気味で気力がありません。うつ病ですか?
ストレスが溜まってくると、本人も知らず知らずのうちに、心や体の不調があらわれます。セルフチェックでまずは現在の状況を確認してみましょう。症状がよくないようでしたら、早めに医療機関への受診をお勧めします。
→セルフチェック
うつ病っぽい場合、どういう病院へ行けばよいですか?
うつ病かなと思ったときは、精神科や心療内科のクリニックや病院へ行くことをお勧めします。一人で行くことが不安な場合は、家族などに付き添ってもらいましょう。
正確な診断を希望される場合は、検査結果をグラフデータで渡してもらえるような光トポグラフィー検査を導入しているクリニックをお勧めします。
詳細はこちら→光トポグラフィー検査
うつ病を放置するとどうなりますか?
うつ病はそのまま放置していても治ることはありません。
治療をしないと他の病気のように、うつ病の症状も次第に悪化します。
悪化してから治療を開始しても、治療の成果はなかなか上がらず、治療の期間も長くなります。うつ病かもと思ったら、早めに精神科や心療内科へ相談することが大切です。
薬物治療の場合、ずっと薬を飲み続けるのですか?
抗うつ薬は、症状がよくなっても、再発防止のために飲み続ける必要がありますので、医師の指示のもと、数年間は薬を飲み続ける方が多いです。
当院では薬の服用が不安な方には、薬物治療ではなく、磁気刺激治療(TMS)をお勧めしています。
また、当院では既に薬の服用をしている方に対して、磁気刺激治療(TMS)と併用して、薬の減薬・断薬も行っていますので、ご相談ください。
詳細はこちら→磁気刺激治療(TMS)
精神療法やカウンセリングだけでは治らないのですか?
軽症のうつ病の場合、精神療法やカウンセリングのみの治療を希望する方もいらっしゃいますが、薬物療法や磁気刺激治療(TMS)などで脳内神経伝達物質のバランスを整えてから、精神療法やカウンセリングをする方が、より効果的であるとされています。
精神科や心療内科の医師の指示に従って、適切な治療を行うことが回復への近道です。当院では薬物療法に抵抗のある方に磁気刺激治療(TMS)をご案内しています。
詳細はこちら→磁気刺激治療(TMS)

うつ病を併発している可能性の高い症状

うつ病は他の症状を併発していることが多く、他の症状のほうが気になってしまい、うつ病自体は気付かれず、しばらく見過ごされがちな病気です。
うつ病が改善することで、本来の症状の改善や治療へとつながるケースが増えていますので、下記の症状と思われる場合は、お気軽に当院へご相談ください。

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