冬季うつ(季節性情動障害)とは~冬場にだけ気持ちが落ち込む人は要注意~

冬季うつ(季節性情動障害)とは~冬場にだけ気持ちが落ち込む人は要注意~
冬季うつとは~冬場にだけ気持ちが落ち込む人は要注意~
冬季うつとは~冬場にだけ気持ちが落ち込む人は要注意~

国内において精神疾患を理由に医療機関にかかっている人は、年々増加傾向にあります。特に「うつ病」はその割合が最も高く、今度も増加すると考えられています。
(参考:精神疾患による患者数 厚生労働省
その中でも、冬場だけにのみ発症する「冬季うつ病」があります。秋口から調子が悪くなり、春になると良くなってくるという人であれば、早めに受診することが必要です。
ここでは冬季うつ病とはどのような特徴を持つ病気なのか、どのように対処すれば良いのかなど、お伝えしていきます。

冬季うつ病(季節性情動障害)とは

秋口から春先にかけてこのような気分の変化を感じることはありませんか?

「些細なことで落ち込んでしまう」
「何かする際には必ず憂鬱な気分になってしまう」
「眠っても身体の疲れが取れずにすっきりしない」

冬季うつ病とは上記のように、季節の一部分だけに毎年症状が現れるもので、「季節性情動障害」(SAD)と呼ばれることもあります。
季節性うつ病であり、周期を持っていることが特徴です。日照時間と深く関わりがあると言われており、秋口から春先までの日照時間の短い期間だけに症状が現れます。

冬季うつの発症時期

10月~3月にかけて発症するうつ病を「冬季うつ」と呼びます。
症状はうつ病と似たような抑うつ症状が見られる一方で、身体的な不調については食欲不振や不眠に陥りやすい一般的なうつ病とは異なります。

【冬季うつの特徴】

  • イライラしたり、突然不安になったりする
  • これまで楽しかったことが楽しくない
  • 気力や集中力が落ちる
  • 午前中は特に気分が落ち込む
  • 人と会いたくない
  • 性欲が落ちる
  • 炭水化物や甘い物が欲しくてたまらない
  • いくら寝ても寝足りない(過眠)

寒い季節はもの寂しくなったり、活動量が減ったりするもの。以上のような状態が見受けられるからといって、すべての方が冬季うつということではありません。
ですが、こうした症状が秋~冬にかけて2年以上続けて出現している。なぜか春になると症状がなくなったと感じる。ストレスなどは特になく、考えられる原因は季節的なものとしかいえない。このような特徴が重なった場合、冬季うつと診断されます。
ただし、的確な診断は医師にしかできません。自分の状態に違和感を覚えたら、精神科や心療内科を受診しましょう。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

なぜ冬季だけ
うつ病になってしまうのか

私たちには体内時計があると言われますが、正確には24時間ではなく25時間程度であることが知られています。
この体内時計をリセットし、時計と合わせる役割を持つものが日光です。朝目覚めた後にしっかりと朝日を浴びると、体内時計がリセットされる仕組みになっています。
不規則な生活をしていたり、夜勤などの仕事に就いていたりする場合には、朝日を浴びる機会が少なくなってしまい、この体内時計に悪影響を与えてしまいます。また日照時間が少なくなってしまう冬季には、そもそも日光を浴びる時間が少なくなります。
日中に太陽の光をしっかりと浴びることで、脳内にセロトニンという物質を分泌させることができます。
このセロトニンは睡眠を誘発させるメラトニンの原料になりますので、太陽の光が少ない冬季にはセロトニンを分泌させ、メラトニンを十分に作りだせないのです。
メラトニンをしっかりと分泌できないようになると、睡眠を中心に生活リズム全般が乱れがちになります。それが身体に不調をきたす原因となり、冬季うつ病へと繋がっていくのです。

冬季うつ病の人が
日常的に気を付けるべきポイント

冬場は日照時間が少なくなるだけではなく、年末年始など慌ただしくなる時期ですので、体調を崩しやすい傾向にあります。そのため今までうつ病などの疾患を発症させたことがないという人であっても、注意すべき時期であるといえます。
ここでは冬季うつにならないように、また症状を緩和させるために必要なポイントをまとめてみました。

  • 1. 睡眠をしっかり取るようにする

    睡眠をしっかり取るようにする

    冬場は仕事や家庭、人付き合いがとても忙しくなります。決算シーズンにさしかかり、残業が増える人も多いでしょうし、忘年会や新年会などの夜の付き合いも増えてきます。
    そのような状況が続いてしまうと、どうしても睡眠不足となりしっかりと身体の疲れを取ることができません。
    疲れが抜けない状況になると、インフルエンザやノロウイルスといった冬場に流行する病気が重なってしまい、精神的にも大きなストレスとなってしまいます。
    冬季は普段よりもゆったりと過ごすようにして、睡眠をしっかりと取るようにしましょう。

    睡眠をしっかり取るようにする
  • 2. 日光を浴びるようにする

    日光を浴びるようにする

    屋内で働いている人であれば、日照不足となりがちです。
    通勤時間が暗い時間であるならばなおさらですし、専業主婦の方であれば、寒くて外出することがおっくうかもしれません。
    冬季うつ病は、日照時間が大きく影響しますので、可能な限り日光浴をすることが大事です。屋内で過ごす場合でも、窓辺で日光に当たるようにすれば効果的です。
    時間があるならばウォーキングなど軽い運動もおすすめです。爽快な気分を得ることができ、ストレス発散の効果があるからです。

    日光を浴びるようにする
  • 3. 疲れ過ぎないようにしましょう

    疲れ過ぎないようにしましょう

    冬場は、楽しい外出行事が増える時期でもあります。スキーなどのウインタースポーツを楽しむ人も多いでしょうし、温泉旅行などを楽しむ人もおられるでしょう。頻繁に飲み会に参加するという人もおられると思います。
    このような行事が続いてしまうと、楽しいことであるとしてもやはり疲れがたまってしまいます。身体を休める日も取るように工夫して、体力を落とさないようにすることが大事です。

    疲れ過ぎないようにしましょう
  • 4. 栄養バランスを考えましょう

    栄養バランスを考えましょう

    年末年始の慌ただしさで、しっかりと食事を摂ることができなかったり、飲み会が多くて外食が中心になってしまったりする可能性があります。
    栄養バランスが崩れがちな時期ですから、意識して「肉」「魚」「卵」「野菜」をまんべんなく摂るように心がけましょう。セロトニンの生成にも良い影響を与えることができます。

    栄養バランスを考えましょう

まずは「うつ病の自己診断」から
始めてみましょう

うつ症状や身体の不調は、ほっと一息ついたときに自覚しやすいものです。
忙しい年末は特に何も感じなかったけれど、お正月休みに入ったとたん違和感がある…そう感じた場合は、まずご自分の状態をご自身でチェックしてみましょう。
新宿ストレスクリニックの公式サイトでは、簡単な質問に答えるだけで今の自分の状態を調べることができる、うつ病の自己診断を公開しています。

うつ状態であると出た場合は、心療内科や精神科へ相談にいきましょう。現状では問題がないと判断された場合でも、不安や気分の浮き沈みがあるときは、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
新宿ストレスクリニックは、年末年始も診療(名古屋院と梅田院は一部除く)行っています。お時間に余裕のある休暇中こそ、ぜひ一度受診を検討してみてください。

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ぜひご相談ください!

初村 英逸

【監修】初村 英逸医師

2009年大分大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの梅田院院長。我々の精神科医療の仕事は、殊に患者さんを「ラク」にすること、それは可能な限り、安心を提供することだと思っています。
精神保健指定医

■関連リンク

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