SNSとうつ病の関係とは~メンタルヘルスに与える影響を知ることが大事!

SNSとうつ病の関係とは~メンタルヘルスに与える影響を知ることが大事!
■SNSがメンタルへルスに与える影響
■SNSがメンタルへルスに与える影響

手軽な連絡手段やビジネスに活用されているSNS。皆さんもLINEやFacebookなど何かしらのSNSを使っているのではないでしょうか。 SNSには、遠くの人と時間や距離を気にせず連絡が取れたり、人を身近な存在と感じられたりと、メリットがたくさんあります。
一方で、評価されるための投稿や、人の生活を垣間見てため息をつくことに疲れたという人も少なくないと思います。
今回はSNSに疲れたときの対処法について考えたいと思います。

SNSがメンタルへルスに
与える影響

SNSがメンタルへルスに与える影響
SNSがメンタルへルスに与える影響

SNSの普及は、私たちの暮らしやビジネスの可能性を広げました。今では「自己表現の場」や「距離や時間に制限されない情報交換の場」としてのSNSの価値を否定する人はほとんどいないと思います。
一方で、SNSはメンタルヘルスに悪影響だとする研究結果もたくさん報告されています。
SNSを起因とするうつ病の発症、いじめや自殺のような痛ましい事件などは一向に減る様子はありません。

心理的、精神的脅威としてのSNS

  • 『Journal of Affective Disorders』誌掲載の18~22歳を対象にした研究(注1)によると、ソーシャルメディアの使用が、不安障害を引き起こすリスクを高めることを示唆しています。
  • 268人の大学生を対象としたAPAによる研究(注2)では、Facebookで自分と他人を否定的に比較すると、反芻思考の増加を招き、抑うつ症状を悪化させると報告されています。
  • デンマークのシンクタンク「The Happiness Research Institute」が2015年に行った研究(注3)では、1,095人の被験者に1週間Facebookを全く使用しないよう依頼したところ、使い続けたグループには変化を認められませんでしたが、使用しなかったグループは生活満足度が有意に上昇しました。
    これはFacebookのようなSNSには、生活の良い面が切り取られて投稿される傾向が強く、それを見た人が自分の生活(当然、良いことも悪いこともあります)と比較してしまうということが一因であると考えられます。また、いいねやフォロワー数のように比較しやすい数字の存在もその一因でしょう。
    実際に『Journal of Social and Clinical Psychology』誌に掲載されたヒューストン大学のMai-Ly Steers氏による研究(注4)では、Facebookを通じて他人の良いハイライトを見ることで、自分自身の体験と比較して抑うつ気分を引き起こすと指摘しています。
  • 米国のシンクタンク「ピュー研究所」による6種類のオンライン・ハラスメント(不快な名で呼ばれる、恥ずかしい目にあわせられる、肉体的な脅迫、継続的嫌がらせ、ストーカー行為、セクハラ)に関する報告(注5)によると、18~29歳の人々は、65%が6つのうち少なくとも1つ以上のオンライン・ハラスメントの対象になり、特に18~24歳での割合は70%でした。
    また、18~24歳の女性は、26%がストーカー行為を受け、25%がセクハラを受けています。6種のハラスメントのうち、ストーカー行為とセクハラでは女性の被害が顕著で、それ以外の4つでは男性の方が多いという結果がでました。

SNSに「疲れた」と
感じたときの対処法

SNSに「疲れた」と感じたときの対処法
SNSに「疲れた」と感じたときの対処法

SNSで評価されるために背伸びした投稿をしたり、他人の充実した生活(多くは良い場面だけを切り取っているだけにもかかわらず)を見てうらやんだり、グループや話題に入る入らないで悩んだりと、楽しいはずのSNSがいつの間にか億劫になっている──SNSに疲れたと感じたら、以下のことを実践してみましょう。

・SNSの利用時間を短くする
2018年にペンシルベニア大学が発表した研究(注6)では、SNSの利用時間を1日30分に制限しただけで、気分の落ち込みや孤独感が減り、メンタルヘルスが改善されることが報告されました。2019年には、「スクリーンタイムと青少年のうつの関連性」と題された論文(注7)にて、SNSの使用とうつ病の関連性が明らかになりました。この研究では、SNS・テレビ・ネットなどすべての「スクリーンタイム(画面を見る時間)」が長いほど、孤独感や寂しさ、絶望感といったうつ状態が深刻になっていくことが分かったのです。
・フォロワー数をチェックしない、いいねの数を非表示にする
Facebookの友だちの数やTwitterのフォロワー数、Instagramのいいねの数は、あなたの存在を否定するものではありません。数字を比較するのをやめましょう。
・SNSのデトックスタイムを持つ
5分以内にLINEの既読がつかないと不安になる、通知のポップアップが気になる。そんな人には、SNSのデトックスタイムが必要です。通知をオフにしたり、SNSをチェックしない日をつくりましょう。
自分の力でスマホを手放すのが難しい人は、友だちと出かけている間の1時間だけ駅や街中のロッカーにスマホを預けるなど、他のことに集中できる時間を利用するのがオススメ。
・気分の落ち込みが激しいときは専門家に相談すること
SNS疲れによるストレスは、続くほどうつ病発症のリスクを高めます。また、自分に対するメッセージやリツイートによってひどく傷つき、落ち込みが続いている場合は、うつ病を発症している可能性もあります。一刻も早く心療内科や精神科などの専門家に相談しましょう。
「SNSは個人的なことだから」という認識が強く、病院なんて仰々しくて行きにくいと思う方もいるでしょう。ですが、みなさんが抱えている苦しみは決して軽くはありません。自分だけで解決しようとせず、どうか客観的に自分を見て手助けしてくれる人を頼ってください。

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本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

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