うつ病と食生活の密接な関係

うつ病と食生活の密接な関係
うつ病と食生活の密接な関係
うつ病と食生活の密接な関係

「ストレスが溜まって食欲がない」
「ストレスでやけ食いをしてしまった」
「ストレスでお酒を飲み過ぎてしまった」
そんな経験をしたことがある人は多いはず。食欲と心には密接な関係があります。
一時的なものであれば、やけ食いやアルコールがストレス発散になることもあるでしょう。ですが、慢性的にストレスを抱え、慢性的に食生活が乱れ、慢性的に体に負担がかかっているとしたら。それは肥満・痩せすぎという体格の問題では収まらなくなるかもしれません。食生活の乱れは、脳の機能を低下させ、うつ病を発症させてしまう可能性があります。

普段の食生活が
うつ病の原因に!?

うつ病の原因は未だ、はっきりとしていません。
ですが、うつ病を発症すると「脳の機能に異常が生じ、神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリンの量が減る」ということは明らかになっています。さらに、うつ病になると脳の司令塔である前頭葉をはじめとし、脳の血流や代謝が低下するということもわかってきました。うつ病は心の病ではなく「脳の病気」といわれる理由はここにあります。
では、なぜ食生活とうつ病に関係があるのでしょうか。
それは、人は食事から摂る栄養で体の機能を働かせており、脳もまたその栄養のおかげで正常に動くことができるからです。
栄養が神経伝達物質を作り、運び、働かせ、脳の血流や代謝を促す。つまり、食事からきちんと栄養が摂れているかどうか、栄養が摂れる食べ方をしているかどうかが、うつ病の発症と大きく関わっているということです。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

うつ病と食生活の関係とは

味に違和感?ストレスが味覚に影響する!?

専門家たちの間では、強いストレスがかかり続けることで起こる深刻な「味覚異常」も問題視されています。うつ病は強いストレスがかかり続けているような状態。味覚異常を訴える患者さんも少なくありません。
味覚異常には大きく分けて2つの特徴があり、味を感じにくかったりまったく感じなったりする「味覚低下(無味覚)」と、苦味など本来しないはずの異常な味を覚える「異味覚」があります。
私たちは、舌の縁の表面や上顎に約1万個もある「味蕾(みらい)」という小さな器官で味を感じています。甘味、塩味、酸味、苦味、うま味など、すべての味は顔面の神経を通じて脳の味覚中枢に伝わっています。味覚異常は、この味を通達する舌から脳までの経路のどこかに問題が起こることで発生する症状です。
一般的に味覚異常と診断される症状は、味覚の働きを促すミネラルの一種・亜鉛の不足や、加齢などによる唾液分泌量の低下など「舌のトラブル」が原因で起こります。また、親知らずの抜歯や扁桃腺の手術などによって顔面神経が傷つくことによって起こる「神経のトラブル」にも注意が必要です。
どれも複雑な問題ではありますが、ストレスによる味覚異常はさらに深刻です。脳梗塞による味覚異常と同じく「脳のトラブル=脳の味覚中枢である味覚野の損傷」によって起こるためです。これは検査をすると舌はちゃんと味覚を感じているのに、本人は味がわからないと思っている状態。できるだけ早く治療をスタートする必要があります。
近年は、精神的ストレスによる味覚異常が増加の一途を辿っています。こうした症状の改善には、耳鼻咽喉科や味覚異常外来などで味覚異常の原因を探るとともに、心療内科・精神科による心のケアも必要です。

うつ病を招いてしまう食生活とは

みなさんは普段、どのような食生活を送っているでしょうか?
うつ病のリスクを高めている食生活は、誰もがやってしまいがちな習慣の中に隠れています。以下のような食べ方をしていないか、チェックしてみましょう。

◆朝食を食べない・食べないことが多い

「ごはんは1日に3回、バランスよく食べること」
健康維持のために、医師が口をすっぱくしてこう言うのには訳があります。
栄養というのは、さまざまな栄養素が影響しあってはじめて、元気な体づくりに生かされます。特定の栄養素だけたくさん摂っても、その栄養素がうまく体に吸収されなかったり、働いてほしいところに運ばれなかったりしてしまうのです。
また、栄養不足は精神不安定になる原因のひとつ。お腹が空いているとイライラしたり、集中力が続かなかったりした経験がみなさんにもあるはず。1日3回というのは、体が栄養を欲するタイミングであり、健康的な心身を保っていくために必要な回数なのです。

◆食べ方が早い、「ながら食べ」をしている

人は自然と、活発な行動を促す「交感神経」とリラックスモードを促す「副交感神経」を入れ替えながら心身のバランスを整えています。
副交感神経が優位になる時間が短くなるほど自律神経が乱れやすくなり、不眠やうつ病につながるリスクが高まります。
本来、食事は副交感神経が優位になる時間ですが、時間に追われて食事をしたり、仕事や勉強をしながら食事をしたりすると、食事中もずっと交感神経が働いてしまうことに。副交感神経の優位時間を増やすためにも、食事のときは食べることに集中し、ゆっくり食べるよう心がけましょう。

◆そもそも栄養バランスの悪い食事しかしていない

食事とは、いわば体の組織をつくるために大切な「材料」を蓄えることです。ただエネルギーが摂れていればいいというものではありません。以下の4点に当てはまる食事を続けている人は食生活の見直しが必要です。

  • 主食、主菜、副菜が揃っていない
  • 食べるのは野菜だけで、肉や魚がメニューにない
  • インスタントやレトルト食品、ファストフードが多い
  • ダイエットのために食事制限をしている

栄養不足は脳の働きを低下させます。うつ病予防には、さまざまな栄養をバランスよくたっぷり摂ることが大切です。

うつ病予防や治療に
効果が期待されている栄養素

うつ病予防や治療に効果が期待されている栄養素
うつ病予防や治療に効果が期待されている栄養素

精神疾患に効果のある栄養素についてはまだまだ研究段階。はっきりと「これを食べたらいい!」と言える栄養素がないのが残念ですが、うつ病の改善に期待されている栄養素の研究は進められています。
それが「オメガ3系脂肪酸」と「トリプトファン」です。
オメガ3系脂肪酸は、アジ、イワシ、サバなどの青魚の油(DHA・EPA)に多く含まれています。最近は、DHA・EPAの材料となるα-リノレン酸が豊富なエゴマ油やアマニ油も注目されていますが、こちらは熱を加えると成分が分解されてしまうためドレッシングなどで摂取しましょう。
トリプトファンは、脳の働きを整えるセロトニンの原料となるアミノ酸です。アミノ酸はたんぱく質の材料であることから、豆腐や納豆、肉、魚、チーズなどにトリプトファンは多く含まれています。さらに、脳の組織や神経伝達物質を作るには、ビタミンB群、鉄分が必要で、脳に栄養素を運び、合成を促すためには糖質が必要です。
こうして見ると、和食はとてもバランスのいい食事だということがわかります。ユネスコ無形文化遺産でも和食の「栄養バランスに優れた健康的な食生活」が評価項目のひとつでした。
糖質や脂質は体型維持のためにカットされがちですが、心身の健康を守るためには、ごはん、主食、副菜とどれが欠けてもいけないということをどうか覚えておいてください。

参考:ストレスと食生活 e-ヘルスネット 厚生労働省 「NIKKEI STYLE」https://style.nikkei.com/

抗うつ薬が味覚障害の原因に!?

抗うつ薬の副作用について

薬には、まれに副作用として味覚障害が起こるものがあります。決して、誰にでも起こる反応ではありませんが、より安全にうつ病治療を受けるためにも副作用の初期症状を知っておくことはとても大切です。
薬によって味覚障害が見られる場合は、薬を飲みはじめてから2~6週間頃に違和感を覚えはじめます。

  • 味(甘、塩、酸、苦)を感じにくい
  • 何を食べても味がしない、または味が濃く感じる
  • 味のしないところがある
  • 特定の味だけが感じられない。例:甘みだけがわからないなど
  • 食事をすると金属味や苦味など、嫌な味がする。例:しょう油が苦く感じるなど
  • 味覚が変わった
  • 口の中に何もないのに苦みや渋みを感じる
  • やたらと口が渇く
  • 食事がおいしくない

こんな症状を自覚したら、医師に相談してください。薬による味覚障害では、発症後できるだけ早く原因となる薬を止めることが重要です。現在のうつ病の治療には、薬以外の選択肢もあります。ご自身に合った治療方法で、症状の改善をはかりましょう。

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なぜ抗うつ薬の副作用が原因で
味覚障害になるの?

精神神経疾患、循環器疾患、高血圧症、胃疾患、肝障害、腎障害、がんなどの治療を受けている人は薬物性味覚障害になりやすいといわれています。
というのも、抗うつ薬をはじめとする上記のような病気の治療薬は、亜鉛の吸収を妨げたり唾液の分泌を抑えたりする作用があり、味覚障害につながりやすいと考えられているためです。唾液は食べ物の味を舌に感じさせるために必要なもので、分泌が少なくなると味覚センサーが味を判別できなくなってしまうのです。
抗うつ薬の服用によって副作用が出た場合、薬を変更するか、いくつかの薬を併用しなければならなくなることがあります。それにより、うつ病の治療が長引く可能性もあるでしょう。
副作用発症のリスクは薬の服用期間が長かったり、薬を飲む量が増えたりするほど高くなる傾向があります。一定期間うつ病治療している方は、自分の味覚に変化がないかどうか、ときどき気にかけておくことが大切です。
とはいえ、先にもお話ししたように、軽度のうつ病、仮面うつ病、転換ヒステリー、神経症、神経性食欲不振など、ストレスそのものが原因となって味覚異常が起こっている可能性もあります。薬による味覚障害は舌のトラブル、ストレスによって起こる味覚異常は脳のトラブルといわれています。「薬を飲む前」から味覚に違和感があったのか、「薬を飲んでしばらくしてから」味覚がおかしくなったのか、ご自身の中でも整理しつつ精神科や心療内科などにも相談し、適切な治療を受けていきましょう。

参考:味覚異常の患者増加 亜鉛不足、ストレスも原因 「NIKKEI STYLE」https://style.nikkei.com/

おかしいかな?と感じたら
専門の医療機関へ受診を

味覚障害の初期症状に気づけるのは、ご自身のみです。抗うつ薬を服用していて何かがおかしい、と味覚に違和感を覚えたりしたら、できるだけ早く医師に相談しましょう。
「なんとなく食べ物がおいしくないなんてお医者さんに相談していいの?」
「大したことではないし、わざわざ病院に行くなんて」
そんな心配をされる方が多いのですが、その「なんとなく」を感じたときこそが、早期治療・早期改善を行える絶好のタイミングです。医療機関は小さな違和感を相談しに行っていい場所です。ご自身の感覚を信じ、ご自身の症状を悪化させないために、早めに専門機関へ足を運びましょう。

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新宿ストレスクリニックで
薬に頼らないうつ病・ストレスの
新しい治療を

新宿ストレスクリニックでは、患者さんの心身に負担のかからない治療を何より大切にしています。薬に頼らず、副作用がほとんどない治療を提案します。新宿ストレスクリニックでは、主に以下の検査と治療をご提案しながら、患者さんと一緒に診療方針を考えています。

光トポグラフィー検査

光トポグラフィー検査は、脳の血流を数値でグラフ化する厚生労働省認可の検査です。
人はストレスがたまると脳の血流が悪くなります。うつ病は脳の病気であり、血流が悪くなった状態が続くことで精神面にも大きな影響が出ると考えられています。
この検査では、安全な近赤外光で頭部の血流を測定し、健常、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症のパターンをそれぞれ判別していきます。
検査時間は約15分。検査結果をもとに、医師の問診と合わせて状態を分析していきますので、より正確な診断が可能です。

状態を正確に知ることが大切です!
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磁気刺激治療(TMS)

磁気刺激治療(TMS)は、うつ病の新しい治療として注目されている治療法です。
うつ病の人は「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」の血流が悪くなっている傾向があります。背外側前頭前野は、判断、意志、興味などをつかさどり、恐怖や不安、悲しみ、自己嫌悪などの感情をつかさどる扁桃体(へんとうたい)のバランスを整える脳。
機能が低下するとやる気がなくなり、ネガティブな感情が強く出やすくなります。
磁気刺激治療(TMS)は、うつ病によって血流の悪くなった背外側前頭前野を磁気で刺激し、脳を正常に働かせる治療です。
現在、日本で行われている薬物療法や電気けいれん療法などのうつ病治療は、それぞれに実績の残してきた治療法である反面、体への負担が大きかったり、治療に時間がかかりすぎたりと、デメリットも大きい傾向がありました。
磁気刺激治療(TMS)は、副作用がほとんどなく、治療期間は、約1ヵ月半~6ヵ月という短い期間で効果が出やすいところが特徴です。実際に、新宿ストレスクリニックの治療ではこれまで約8割の人に症状改善が見られています。

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おいしいものを食べる喜びは、心を豊かにします。おいしいと感じることこそが、ストレス発散になることもあるはず。普段はあまり意識していないけど、何気なく守られている幸せ。それを失わないためにも、「味覚に違和感を覚えたらすぐに医師へ相談すること」と、「うつ病の発症リスクを高めないバランスのいい食生活をすること」を心がけていきましょう。

本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

新宿ストレスクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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