ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)について知ろう!

ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)について知ろう!
アルコール依存症とうつ病について
アルコール依存症とうつ病について

うつ病にはさまざまな種類があります。最近では職場うつ女性うつ受験うつ介護うつなど、環境や状況に合わせた名前で呼ばれ、治療アプローチも細分化されています。
それぞれに特徴のあるうつ病ですが、いわれており、その診断基準は未だ定まっていません。一見、うつ病とは思えないとまでいわれる新型うつ病は、いったいどのような病気なのでしょうか。

20~30代に多い!?
ディスチミア親和型うつ病とは

ディスチミア親和型うつ病は、20~30歳代の若い世代に多く見られるうつ病です。慢性的な抑うつ状態となり、仕事に対してやる気がなく、自分の仕事がうまくいかないのは上司や周囲の人が悪いからだという意識を強く持ちます。一方で、遊びや趣味などには意欲的に取り組むため、一見うつ病には見えず、周囲からますます理解が得られないという特徴があります。
とはいえ、こうした態度の若者がすべてディスチミア親和型うつ病であるとは言い切れません。もしかしたら、上司のほうがうつ病であったり、周囲の人が何かしらの問題を抱えているから、傍目からはその一人が浮いて見えたりするだけの可能性もあります。ディスチミア親和型は診断が難しく、状況をよく観察し、正しく判断する必要があるのです。
なかなか自分で気づけないこともありますので、うつ病かどうか不安な方は精神科や心療内科の専門医に相談してみるのもよいでしょう。

ストレスやうつ症状について
せひご相談ください!

従来のうつ病
「メランコリー親和型うつ病」との違いは?

メランコリー親和型うつ病とは、私たちが「うつ病」と認識している従来のうつ病のことです。自分を責める傾向にあり、常に他者への罪悪感とたたかっているのが特徴といえます。
新型うつであるディスチミア親和型は、従来のうつ病とその性質は真逆。責任から逃れ、排他的で他者を非難する傾向があります。ここでは、その両者の違いを見ていきましょう。

メランコリー
親和型
ディスチミア
親和型
年齢層 中高年層 青年層
関連する
気質
執着気質(下田)
メランコリー親和型性格
(Tellenbach)
student apathy(Walters)
退却傾向(笠原)と無気力
病前性格 社会的役割・規範への愛着
規範に対して好意的で同一化
秩序を愛し、配慮的で几帳面
基本的に仕事熱心
自分自身(役割抜き)への愛着
規範に対して「ストレス」であると抵抗する
秩序への否定的感情と漠然とした万能感
もともと仕事熱心ではない
症候学的
特徴
焦燥と抑制
疲弊と罪業感(申し訳なさの表明)
完遂しかねない“熟慮した”自殺企図
不全感と倦怠
回避と他罰的感情(他者への非難)
衝動的な自傷、一方で“軽やかな自殺企図”
治療関係
と経過
初期には「うつ病」の診断に抵抗する
その後は、 「うつ病」の経験から新たな認知 「無理しない生き方」を身につけ、新たな役割意識となりうる
初期から「うつ病」の診断に協力的
その後も「うつ症状」の存在確認に終始しがちとなり 「うつの文脈」からの離脱が困難、慢性化
薬物への
反応
多くは良好(病み終える) 多くは部分的効果に留まる(病み終えない)
認知と
行動特性
疾病による行動変化が明らか
「課長としての私」から「うつを経験した課長としての私」へ(新たな役割意識の獲得)
どこまでが 「生き方」でどこからが 「症状経過」か不分明
「(単なる)私」から「うつの私」で固着し、新たな文脈が形成されにくい
予後と
環境変化
休養と服薬で全般に軽快しやすい
場・環境の変化は両価的である
(時には自責的となる)
休養と服薬のみではしばしば慢性化する
置かれた場・環境の変化で急速に改善することがある

ディスチミア親和型うつ病の
特徴・原因

ディスチミア親和型の特徴

ディスチミア親和型うつ病の注意すべき特徴は大きく3つに分けられます。
1つ目は、軽い躁状態になりやすいこと。躁状態の後に抑うつ症状が出ることが多く、反復性うつ病のようにも見えます。しかし、この軽い躁状態は本人すら気づいていない場合が多く、精神科医など専門家にも見抜くのは非常に困難。治療では気分安定薬が用いられますが、抗うつ薬が効かず、気分の波が大きくなってしまうケースも見られます。
2つ目は、本人が苦手な環境、ストレスを感じる環境でのみ強い不安感を伴ううつ症状や気分障害が出ること。発汗、動悸、息苦しさやパニック発作などとともに発症するため、初期症状では内科にかかる方も多いですが、内科的な検査ではまず原因をつかめません。カラダの不調の後、抑うつ状態が現れ、軽躁状態が繰り返されます。
3つ目は、不幸自慢にも似て、うつ症状にしがみついてしまうこと。自己愛が強く、規範・秩序に抵抗があり、自分が万能だと思い込みがちです。失敗やふりかかる不幸を人のせいにする他罰性が強く、過去には、ディスチミア親和型の患者さんが病気になったのは会社のせいだと裁判を起こした例もありました。負けず嫌いでありながら責任から逃れてしまう、それは未熟な精神の現れでもあります。
メランコリー親和型うつ病の回復には時間がかかるのに対し、ディスチミア親和型うつ病は居場所や環境を変化させるだけで急速に改善する可能性があります。これは、解明されていないことの多い新型うつ病治療の救いといえるでしょう。

ディスチミア親和型の原因

ディスチミア親和型は、価値観や人間関係、ストレス耐性のあり方まで変化した現代の社会の中で生まれた、従来のうつ病とまったく違う新しいうつ病です。ディスチミアの意味は、気分の変調。その病前性格は、「自由奔放な人格」であるといえます。

ディスチミア親和型の原因
ディスチミア親和型の原因

1970年以降の消費する時代「豊かな社会」で育った世代は、多様化する価値観と個性を尊重する社会で生きてきました。型にはまらないこと、自由であることは何も悪いことではありませんが、規範やルールは人が生きていくために必要です。この世代は、社会に出てはじめてそれに触れたという人が多く、仕事のノルマや人間関係などとも相まって閉塞感を感じ、大きなストレスを感じていきます。これにより、現代型のうつ病「ディスチミア親和型うつ病」が生まれました。過保護な家庭環境で育てられた人に発症しやすい病気であることも特徴的です。
うつ病かどうか悩んでいる方は、まずは30秒で分かる簡単セルフチェックをしてみましょう。

ディスチミア親和型うつ病の人
との接し方

周囲からすれば目に余る行動に見えても、本人の問題行動を頭ごなしに注意しても、「この人はわかってくれない」と余計に心を閉ざしてしまうだけでしょう。
上手に付き合っていくためには、本人の主張と向き合い、何が問題で、何をどのように工夫すれば納得できるのか、相手を深く理解する姿勢が求められます。

ディスチミア親和型うつ病の人との接し方
ディスチミア親和型うつ病の人との接し方

気分障害の一種・気分変調性障害(気分変調症)であるディスチミア親和型は、実際に医学上でうつ病と扱われることは少なく、専門家たちの間でも議論が繰り広げられています。
しかし、一見わがままのように見える主張も、本人からすれば必死に生き残ろうとする心の叫びだといえます。その叫びに周囲が見向きもしなければ、自傷行為や自殺未遂を繰り返すこととなり、最終的には世の中への絶望感とともに命を絶つ可能性も否めません。ディスチミア親和型は、精神未発達という障害です。周囲の理解と育て直す意識が、患者さんの症状を改善に導き、ひいては企業や社会にとって貴重な人材へ生まれ変わる可能性を秘めているのです。

ディスチミア親和型うつ病の
治療方法

ディスチミア親和型の治療には、深層心理の分析などをする洞察指向的精神療法が用いられることが多いですが、薬物療法と認知療法、行動療法なども行われます。

洞察指向的精神療法

抑うつ症状がどのように進展し続いてきたか、子どものころから抱え込んでいる葛藤などについて、専門家が話しをする中で分析していきます。

認知療法

物事へのネガティブな受け取り方を認識し、新しい視点や考え方、行動について教わります。

行動療法

趣味をはじめたり、どこかへ出かけるなどの行動を促すことで楽しさを経験する、家でのリラックス法を教わる、などして「行動すること」で抑うつに傾く考え方を変えていきます。

薬物療法

抗うつ薬による治療法です。他の症状との合併症など、状態によって選択される場合があります。

心身に負担が少ない治療を
新宿ストレスクリニックで

軽症からでも治療が可能
「磁気刺激治療(TMS)」

うつ病の治療は薬物療法だけが最良の選択ではありません。新宿ストレスクリニックでは、軽度のうつ症状から治療をスタートできる「磁気刺激治療(TMS)」を導入しています。
磁気刺激治療は、うつ病によって悪くなった「背外側前頭前野」という感情などを司る脳の部位の血流を磁気で刺激し、脳を正常に働かせていく治療です。うつ病を発症していない方も受けられる治療で、脳の血流を良くしていくと気分のリフレッシュにもつながります。最近ストレスが多いと感じている方がうつ病予防の一環として受けたり、現在軽いうつ病と診断されている方が症状を重症化させないために受けたりするのにも適しており、心身の負担が少ない治療といえます。
うつ病患者さんにとっては、「入院の必要なし」「副作用ほとんどなし」「治療期間は約1ヶ月半~6ヶ月と短い」という3つのメリットがあり、寛解まで治療を続けやすい治療法としても注目されています。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

正確な診断が可能
「光トポグラフィー検査」

新宿ストレスクリニックで行われる厚生労働省認可の「光トポグラフィー検査」では、簡単な検査でうつ病かどうかがわかります。
うつ病は脳の病気と考えられており、うつ病の方の多くが脳の血流が悪い傾向にあることがわかっています。そこで専用の機器を用いて脳の血流量を数値でグラフ化することで、より正確なうつ病の診断を目指すのがこの検査です。患者さんご自身が客観的な視点からご自身の今の状態が確認できるだけでなく、数値と医師の問診とあわせて診断していくため、より正確な心身の状態を把握できます。

状態を正確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

【参考サイト】

本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

■関連リンク

本 将昴医師が在院する新宿ストレスクリニック名古屋院のページはこちら

新宿ストレスクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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