うつ病とチョコレート(英語:chocolate)の関係

うつ病とチョコレート(英語:chocolate)の関係

うつ病とチョコレート
(英語:chocolate)の
関係とは?

うつ病とチョコレート(英語:chocolate)の関係とは?

気分が落ち込んでいるときに、なんとなく食べたくなるチョコレート。
職場や家庭など、日常生活に簡単に取り入れられるチョコレート。
あの、なんとも言えないカカオの香りと爽やかな苦味、コクのある風味は、小さなものを1つ食べるだけでもこころを軽やかにしてくれますよね。
そんなチョコレート、実は科学的にもうつ病に対する改善効果・効能があると言われているのをご存知ですか。
今回はそんなチョコレートとうつ病の関係について解説します。

カカオポリフェノールとうつ病

では、まずチョコレートに含まれるカカオポリフェノールについて考えていきましょう。

ポリフェノールの健康効果

ポリフェノールと聞けば、健康に敏感な人でなくても、その効果の高さをご存知の人は多いでしょう。
いわゆるポリフェノールは、一般的に赤ワインや緑茶、コーヒーなど苦味や渋味を感じるものに多く含まれていることがわかっていて、免疫力を高めてくれる作用や風邪予防、細胞の老化の原因となる活性酵素を抑制する抗酸化作用があるといわれています。
健康食品のコマーシャルなどでは『身体を錆びさせない』としてアンチエイジングなどに効果を期待するものがありますよね。
そして、そんなポリフェノールは、チョコレートにも含まれています。
あのチョコレートの独特の苦味は、カカオポリフェノールと言われるもので、その健康効果については一般のポリフェノールとほぼ同様の効果が期待できます。
そして、さらに、このカカオポリフェノールは脳細胞の活性化に、効果があると言われているのです。

カカオポリフェノールとBDNF

脳神経の栄養素として注目を浴びる栄養素にBDNF(Brain-derived neurotrophic factor)というものがあります。
このBDNFは脳の中でも海馬という部分に多く含まれていて、一般的に記憶を司る神経細胞の活動を促進させると考えられています。
脳は、神経細胞の塊で、そこで『ものを考える』器官です。
普通『ものを考える』というのは、これまで蓄積された記憶を使って、それを比較したり引用したりという作業を行うことを言うのですから、記憶を活性化するBDNFの重要性もわかりますよね。
そしてこのBDNFがチョコレート製品の成分であるカカオポリフェノールで増えるという可能性があるとわかってきたのです。

BDNFとうつ病とチョコレート

脳の記憶を司るBDNFとそれを増やす可能性のあるチョコレート(カカオポリフェノール)。
実はこのBDNFはアルツハイマー型認知症の患者さんや、うつ病の方の脳内では不足しているということが知られているのです。
また、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、脳の血流量を増やす効果もあるということがわかっていて、総合的に脳の活性化に効果があると考えられてもいるのです。
チョコレートは、口にするだけでなんとなく幸せになれるお菓子。
しかも健康効果が期待できて、その上、脳の活性化にも効果があってメンタルヘルス不調時やうつ病の症状の改善にも期待できるというのは嬉しい話ですよね。
カカオポリフェノールの他には、チョコレートには食物繊維も含まれています。食物繊維の取り込みは、便通に良いだけではなく、腸内の悪玉菌を減らす役割もあります。おなかの調子を整え、健康で美しく気分を晴れやかになるそんなお菓子がチョコレートです。しかし、とはいえ過信は禁物かもしれません。

チョコレートの
過剰摂取は禁物です!

チョコレートは元気になる薬

チョコレートの過剰摂取は禁物です!

チョコレートはもともと、南アメリカ大陸で神様の食べ物と言われていた貴重な食材。
一部の王侯貴族しか口にすることができず、アステカ文明においては通貨の代わりとされたこともあるような貴重なものでした、その理由は健康効果。
その後、アステカ帝国を征服したスペイン人のコルテスは、そのカカオの効果にびっくりしました。
当時のアステカ族が、不老長寿の薬としてだけでなく、疲労回復や様々な病気の治療薬として使っている事例を知り、部下に食べさせ、研究したところ、そこに疲労回復の効果が認められたのです。
そう、チョコレートは、もともと元気になる薬として存在していたものなんですね。

カカオで元気に、その原因は
PEAとGABAとカフェイン

カカオを食べて元気になる。
実はそこには、近年になってきちんとした科学的裏付けがあることがわかってきています。
まずはPEA、フェニエチルアミン。
これは、恋愛ホルモンや幸せホルモンとも呼ばれている物質で、一説には、恋のときめきや高揚感と言ったものに関わっっているとも言われています。
続いてGABA、ガンマアミノ酪酸、通称ギャバ。
GABAは抗うつ剤にも含まれていることのある物質でリラックス効果や睡眠の質をあげる効果、などさまざまな効果があると言われています。
最近ではストレスを軽減するチョコという種類で、ストレートな名前でGABAを多めに配合したチョコも売られていますから、これも知っている人は多いのではないでしょうか。
そして、もう一つはカフェイン。
これは、珈琲や紅茶と同じで、元気になる効果がよく知られているものですよね。

チョコ好きにはうつ病が隠れている

それぞれの効果を見て、ピンと来た人はいるかも知れませんが、先程あげた物質はうつ症状の対策・改善に効果があります。
ですから、うつ病やうつ病予備軍、もしくはうつ病を発症してもおかしくはないほどのストレスを抱えている人にとって、チョコレートは天然自然の抗うつ薬。
食べることで気分はスッキリし、睡眠の質は良くなり、元気もでる。
実際、アメリカの内科学会誌でカリフォルニア大学の博士が、チョコレートを摂取する理由として落ち込んだ気分を改善するためという理由があることを確認したと発表しています。
それによると、うつ病傾向のない人が月に28グラムのチョコを5個しか摂取しなかったのに対し、うつ病症状の重い人はなんとおよそ12個も食べていたことがわかったそうです。
そう、もしかしたらあなたのチョコ好きは、うつ病傾向にあるからかもしれないのです。

うつ病傾向を確かめるために
「うつ病セルフチェック」をしましょう!

チョコレートを多く食べるからといってうつ病と決定したわけでもありませんので、まずは、日常の些細な変化から観察してみましょう。ストレス社会の現代は、自己流でストレスを克服することが難しい場合もあります。そのため、専門の医療機関で診断を受けることにより、ストレスが原因となるうつ病を回避できる可能性があります。まずは、ストレスセルフチェックや「うつ病セルフチェック」を利用し、現在のご自身の状況を把握することも大切です。うつ病の症状が2週間以上続いているようであれば、専門の医療機関での受診と診断が必要とされます。うつ病の治療にも体力を使う場合があります。早期発見・治療となれば、なるべく負担の少ない治療方法を選択することもできます。不調を感じたら、早めに医療機関へ行きましょう。

うつ症状の改善にチョコのなにが悪いのか

しかし、うつ症状がチョコで改善されるのであれば、なんの問題もないとも思えますよね。
チョコレートは市販されている手軽な値段のお菓子ですし、GABAの含有量の多いチョコレートなども普通に市販されているので、手軽に抗うつができるなら悪い話ではないはず、と。
もちろん、その側面がないとは言いません。
しかし、すべての病気とおなじように、うつ病もまた早期発見早期治療が患者さんに負担をかけずに治療するためにはとても重要なことです。
そして、チョコレートには、そんなうつ病の発覚を遅らせる懸念があるのです。
もちろんそれだけではなく、うつ病にしろ他の疾患にしろ、いちばん大切なのはその根本であるストレスの原因を探り対処することにあります。
それもまた、チョコレートで緩和させてしまっていては、状態が悪化するまで放置するという事になりかねません。

カフェインの落とし穴

元気にする効果があるとして、エナジードリンクなどにも多く含まれるカフェイン。
チョコレートにも含まれているこのカフェインは、たしかに元気をだしてくれますし、活力を高める効果があることは知られています。
しかし、このカフェインには様々なマイナス効果があることもわかっているのです。
それには、高血圧の方への負担など色々あるのですが、精神的な疾患に関して言えば、カフェインの摂取がパニック障害の方の症状を起こしやすくする作用があるのです。
ですのでそういった方は、特に注意が必要かもしれません。
ただ、現在はカフェインレスチョコレートとしてキャロブというものが販売されていますので、パニック障害をお持ちの方や心当たりの方はそういったものを買ってみるといいかも知れません。
ただ、それを知るためにもやはり、早くお医者さんに観てもらうというのは大切なことです。

チョコレートの過剰摂取は体に悪い

ストレスを軽減させうつ症状を弱めるために、チョコレートを食べる。
そして、そういった傾向のある人はそうでない人よりもチョコレートをより多く食べる傾向にあるということがわかってきているのですが、これはある意味大きな健康障害の元になりかねません。
そう、チョコレートには糖分も乳脂肪分も大量に含まれているからです。
基本的に、もともとのチョコレートには糖分も乳脂肪分も含まれてはいませんが、ご存知の通りそういう物がまったく入っていないカカオは苦くてとても食べられるものではありません。
市販されているカカオ75%のようなチョコでも、結構苦いものです。
そのため、チョコレートの過剰摂取は、乳脂肪分や糖分の過剰摂取につながってきますし、それが不健康のもとであることは、もはや言うまでもないですよね。
また、砂糖を含んだチョコレートには中毒性もあり、摂取すると高血糖が上昇させる効力があるといわれ、幸福感と感じることが脳内物質を分泌させます。そして、チョコレート中毒により、高血糖と低血糖を繰り返すことで、インスリンだけではなく、糖の代謝に必要なビタミンB1も大量に消費することになります。ビタミンB1は、脳の正常な働きにとても重要な栄養素で、不足すると精神的に不安定な状態になったり、気分がイライラしやすくなります。低血糖状態は、倦怠感や気分の落ち込みに繋がることがあり、うつ状態を招く結果にもなります。また、身体的にも、肥満、高脂血症、糖尿病等、心身の健康にも美容にも、大ダメージです。

チョコレートと同じ効果?
抗うつ薬の危険性!?

チョコレートに頼らず医者の治療を。
と言われれば、なんとなくその意味はわかるのですが、そう、うまくいかない理由ももちろんあるのです。

うつ病かな?と思っても
お医者さんにいきにくい理由

チョコレートに頼らず、ちゃんと病院にいこう。
そう言われても、中には精神疾患で医者にかかることに抵抗を感じているらっしゃるひとは少なくありません。
その理由は様々あると思いますが、その大きな一つの理由として、抗うつ剤などの精神疾患を抑える薬について、不信感があるのではないでしょうか?

抗うつ薬は一度飲むと一生続く?

実は、一般的な認知として、抗うつ薬は一回飲むと一生続くと思っている人がいます。
もちろんその認識は間違っていて、抗うつ薬を一度飲み始めたら死ぬまでずっと飲み続けなければいけないということはありませんし、徐々に減薬していくよう治療がなされます。
しかし、こういった誤解が生まれるにもちゃんと理由はあります。
うつ病は再発の可能性もある病気です。抗うつ薬で必ず完治するともいえないのです。
中には、自己判断で減薬や断薬をしてしまい、離脱症状に悩まれる方もいらっしゃいます。
また、現在うつ病に悩む人の数は多く、きっと周りにうつ病に悩んでいる人がいたり、もしくはインターネットなどでうつ病を患っている人の情報を得る機会は増えています。
そして、そういった人たちが、抗うつ薬の離脱症状に苦しんでいる様子を知っているのです。

離脱症状とは、いわゆる禁断症状

この離脱症状とはいわゆる禁断症状。
アルコール依存の患者さんや薬物依存の患者さん、禁煙にチャレンジする人が感じているものと同じもので、抗うつ剤が習慣化した影響で、不安や抑うつ睡眠障害、もしくはけいれんを伴う場合もあると言われます。ですので、この症状を調整しながら薬をやめていかなければいけなくなるため、なかにはこういった離脱症状に耐えられず、抗うつ剤を長く使用することになる場合があるのです。

抗うつ剤そのものにも副作用がある

そして抗うつ剤そのものにも副作用が当然あります。
もともと薬には副作用というものがセットであると言っても過言ではないのですが、抗うつ剤はご存じのとおり心のお薬ですから、それは身体だけでなく心にも現れます。
体の症状としては、食欲不振や眠気、嘔吐下痢などが報告されていて、心の症状としては不眠や不安症、なかには自殺願望の高まりなどという場合もあると言われます。
もちろん、適切な治療と処方であればそこまで極端なものはないかもしれません。
しかし、それでなくても心が弱っているときに、なかなかそこに頼ろうという気にはならないですし、ならばチョコレートで民間療法を、と思う人もいるかも知れません。

薬に頼らない新たな治療法とは

チョコレートでごまかさずきちんと病院で治療を。
と思っても抗うつ薬が怖くて、という人には新宿ストレスクリニックの『磁気刺激治療』を選択することもできます。うつ病の治療は必ずしも、抗うつ薬だけではありません。医療研究の開発の発達はめまぐるしく、うつ病もご自身に合った治療方法が選べます。
磁気刺激治療とは、患者さんの脳に磁気の刺激を与えることによって機能回復を促す治療で、副作用もほとんどなく、投薬治療をされていた患者さんの減薬にも役立ち、実際に抗うつ薬をゼロにされた方もいらっしゃいます。
磁気刺激治療(TMS)を抗うつ薬に抵抗のある方におすすめの治療です。
うつ病はストレスなどの様々な要因によって脳の機能が低下することによって起こるものですから、磁気刺激治療(TMS)は、うつ病の改善に役立つというわけなんですね。

いかがでしたか?
チョコレートに限らず、なにかに依存したり、大量摂取することは健康被害の原因となりやすいものです。
ですからその原因をきちんと把握してもらうためにも、早めの相談と診察、治療の継続が重要です。
とはいえ、薬が怖いなぁという人は、新宿ストレスクリニックにご相談ください。状況の改善をサポートし、役立てることができるかもしれません。
また、新宿ストレスクリニックは、年中無休で診療しています。
ぜひ、健やかな毎日のためにも、ご都合のよいときにご予約の上、お気軽にご来院ください。

本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

新宿ストレスクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わないストレス・うつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
ストレスやうつ病が悪化する前に、ぜひご相談ください。

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