広場恐怖症とは?~パニック症とうつ病を併発する!?~

広場恐怖症とは?~パニック症とうつ病を併発する!?~
広場恐怖症とは?~パニック症とうつ病は併発する!?~

広場恐怖症の症状は?

広場恐怖症は不安症の一種であり、通常ならば何も感じないような場面や場所において強い恐怖や不安を感じてしまう状態をいいます。パニック症を併発している場合も多くあります。
特定の場所において「死んでしまうのではないか」と感じるほどの息苦しさや恐怖を感じ、不安になって救急車で運ばれてしまうようなことも珍しくありません。
この症状は前触れもなく出現することがほとんどで、恐怖を感じ出してから10分ほどで不安や恐怖のピークが訪れます。
その苦しみや恐怖を経験してしまうと「また同じ状況で症状が起きるのでは」と感じるようになってしまい、外出することができなくなるのです。
広場恐怖とは「人が多い場所」に恐怖を示すことを意味していますが、バスや電車、自動車などの公共交通機関やお店や劇場、映画館など閉鎖されているような空間、銀行やスーパーマーケットなど人混みの中、教室の真ん中に座っているなど、容易に逃げ出すことや立ち去ることができない場面において恐怖を抱いてしまいます。
逃げるに逃げられない状況や逃げてしまったら恥ずかしいと感じる場所で「過呼吸などのパニック発作が起きてしまうのではないか」と考えて、そのような場所やシーンには行くことができなくなります。
恐怖や不安によって特定の場所を避けている状態が6か月以上続いている状態であれば、「広場恐怖症」と診断されることがあります。そのため日常生活や仕事、通学などにおいて支障を来たしてしまうことになり、その悪影響はかなり大きなものになります。
外出を拒むようになり、自宅に引きこもった生活になってしまうこともあります。強い不安や焦りからうつ病になってしまうことも少なくありません。

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公共交通機関の利用
(バス・電車・自動車・飛行機・船など)

バスや電車、飛行機などの公共交通機関においては、いったん扉が閉まってしまうと一定時間、外に出ることはできません。
その状況において、「過呼吸を起こしたらどうしよう」「倒れて助けてもらえなかったら…」と考えてしまうようになり、乗れなくなってしまうのです。
特に飛行機や新幹線のようにいったん扉が閉まってしまえば、長い時間、外に逃げ出すことができない状況なのであれば、在来線の電車やバス以上に恐怖を感じる人がいます。

囲まれた場所(店・劇場・映画館など)

お店や劇場、映画館など、いったん入ってしまえば容易に外に出ることができない場所においても広場恐怖症の症状に悩まされることがあります。
特に劇場や映画館のように大勢の人が集まり、楽しんでいるような場面で過呼吸などのパニック症状が出現してしまったら、「周りに迷惑をかけてしまう」「大勢のなかで倒れたら恥ずかしい」と、死への恐怖だけではなく、別な感情においても自分を追い込んでしまうことになります。
また劇場や映画館の真ん中あたりに座ってしまうことで、容易に逃げ出すことができないということが恐怖となってしまうこともあります。

広場恐怖症の原因は何?

広場恐怖症の原因は次のようなものが考えられます。

  • 感情が影響する気質要因
  • 過去の物事、ストレス、
    遺伝が影響する環境要因

広場恐怖症は気質的な要因や子供の頃に経験したつらい出来事、犯罪に巻き込まれたり自然災害の被害にあうなどの強いストレス、遺伝などが影響しているということも原因として考えられています。
特定の性格だけによるものだと断定できませんが、悲観的や内省的な性格に多いことが研究結果によっても分かっています。
遺伝に関してはかなり高いものであるという研究データも発表されており、広場恐怖症の家族においては、そうでない家族と比べかなり高くなっていることが分かっています。
ただし遺伝的要因だと断定できるものは発見されておらず、さまざまな要因が重なり合っていると考えられています。

感情が影響する気質要因

感情が影響する気質要因
感情が影響する気質要因

広場恐怖症の原因は、悲観的や人見知りなど否定的な感情を抱きやすい気質である場合に起きやすいと考えられています。
ただし、これらの気質によって引き起こされると断定できるような要因は見つかっていません。
広場恐怖症の症状を繰り返すなかで、今まで出来ていた外出ができなくなってしまい、自信を失ってしまうということがあるからです。
それがもともとの性格によって引き起こしたものなのか、あるいは障害を引き起こすなかで生じたものなのかまでは断定することができないのです。

過去の物事、ストレス、遺伝が影響する環境要因

過去の物事、ストレス、遺伝が影響する環境要因
過去の物事、ストレス、遺伝が影響する環境要因

過去の物事や経験、環境によって広場恐怖症を引き起こす原因になっていると考えられています。例えば、幼少期に親から虐待を受けていたような環境で育った場合には、広場恐怖症の発症に強い影響を及ぼすことがあります。
また、強いストレスを受けてしまったことによって引き起こされる場合もあります。例えば地震や台風などの被害を受けた場合、その経験が強いストレスになってしまうのです。
また、日常生活においてアルコールやたばこの量が多い場合においても引き起こしやすいという研究結果もあります。
遺伝においては、特定の遺伝子だけが影響されるのではなく、さまざまな要因が重なり合って引き起こされるものだと考えられています。研究によると遺伝率は高く、60%を超えているとしたデータも存在します。

広場恐怖症は
パニック症を併発しやすい!?

広場恐怖症の症状に悩んでいる人は、高い確率でパニック症も併発していることが知られており、その割合は約30%~50%であることが分かっています。アメリカの研究においては、大半がパニック障害を併発していると報告している研究者もいます。
パニック症とは、パニック発作・予期不安などと呼ばれる特徴的な症状が突然襲ってくる症状で、恐怖や不安感が抑えられなくなるというものです。
広場恐怖においてもパニック症の症状のひとつとされています。ただしアメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』においては、パニック症と広場恐怖症は別の障害であるとして分類されています。
パニック症は予期しないパニック発作を引き起こしてしまうもので、突然、激しい恐怖と不安に襲われてしまい、発生から数分でそのピークに達するものです。動悸や発汗、震え、息苦しさ、窒息感、胸部や腹部の不快感、ふらつき、死ぬことへの恐怖などの症状がいくつも重なり合って起こります。
このような症状を引き起こした経験から、パニック発作を避けるようになり、外出や不慣れな状況を避けるようになってしまいます。
広場恐怖症は、特定の場所やシーンによってパニック発作を引き起こしてしまうというもので、逃げられない状況や恥ずかしい思いをしてしまうことが恐怖になってしまうものです。

女性に多くみられる広場恐怖症

アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』によりますと、女性の発症率は男性よりも高く、2倍程度の差となっています。生涯有病率は2~6%程度であるとする研究データがいくつか報告されています。
小児期に発症することはほとんどなく、20代前後と40歳前後において発症することが多いという特徴を持っています。65歳以上になると、1年程度において継続して症状が現れている人の割合は1%未満と少なくなっています。
なお、広場恐怖症の症状が現れる前にパニック症を引き起こしている人の割合が多く、その割合は約30%~50%であることが分かっています。
パニック症を引き起こすことによって緊張状態が続いて外出することができなくなり、自尊心を喪失してしまうことが多くあります。それがきっかけとなって、二次的にうつ状態を伴うことも多くなっています。

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広場恐怖症の診断基準について

広場恐怖症はICD-10(世界保健機関(WHO)が作成した国際統計分類)、DSM-5(アメリカ精神医学会が作成した精神疾患の診断基準・診断分類)によって、医師が診断を行います。

ICD-10においては、下記の内容などによって診断されています。

  • 不安や恐怖などによって心理的症状や自律神経症状が現れている
  • 症状は公衆の場所や自宅から離れている間に限定されている
  • 症状の恐怖や不安によって特定の場所やシーンを避けている

またDSM-5においては、下記の内容などによって診断されることになります。

  • 公共交通機関や広い場所、囲まれた場所、群衆などにおいて不安や恐怖がある
  • 症状が起きたときには脱出が困難で、助けてくれないという恐怖によって外出できなくなる
  • 特定の場所やシーンによってほとんどいつも不安や恐怖を引き起こす
  • 特定の場所やシーンを避けたり、仲間の存在が必要である
  • 特定の場所やシーンでは現実的な危険性などと釣り合わない
  • 症状が6か月以上続いている
  • 不安や恐怖によって社会生活などにおいて大きな支障をきたしている

現在の症状や不調が長引いているといった状態で、お困りの場合は、うつ病を併発している可能性もありますので、いつでもご相談ください。

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広場恐怖症の治療方法とは

広場恐怖症においては、「薬物療法」「認知行動療法」「暴露療法」などが有効な治療法と考えられています。広場恐怖症は持続的に不安や恐怖を引き起こすもので、治療せずにいた場合において自然に寛解する可能性はかなり低いのが現状です。
治療を行うことで多くの人が劇的に改善していますから、症状にお悩みの場合であれば早期に医師に相談し、治療を開始することが適切です。

不安症状に早い反応を示す薬物療法

不安や恐怖を引き起こした際には、薬物療法が効果的だと考えられています。
一般的に恐怖の症状においてはベンゾジアゼピン系の「抗不安薬」、不安などの症状においてはSSRI系(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の「抗うつ薬」が用いられています。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬においては、薬剤に含まれている「GABA」と呼ばれる物質によって、中枢神経作用を抑制し脳内作用を増強します。この作用によって引き起こされる恐怖や緊張を和らげることができます。
特に広場恐怖症においては恐怖症状が現れると急激にピークを迎えますから、速やかに症状を改善するために短時間型の抗不安薬が適していると考えられています。
また不安症状においてはSSRI系(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の抗うつ薬が処方されることが多く、脳内の神経伝達物資であるセロトニンの働きを改善させることによって不安感を抑えることができます。

思考をコントロールし行動を修正する
認知行動療法

認知行動療法とは、カウンセリング(心理的治療法)によって自分自身の思考をコントロールし、行動を修正していくという治療法のことです。
広場恐怖症によって強い不安や恐怖によってパニック発作を引き起こします。その経験によって、外出することや同じ場所、シーンが怖くなり、回避する行動を取るようになります。
このような問題となっている状況を確認し、その症状を引き起こすメカニズムについて心理教育していくことで、少しずつ改善を目指していきます。
認知行動療法は、広場恐怖症だけではなくあらゆる精神疾患などの治療に取り入れられているもので、治療の効果の高さは世界中でも評価されています。
海外の研究においては薬物治療よりも高い効果が示されたと発表されているデータも存在するほど、期待されている治療法であるといえます。

不安を繰り返し経験する暴露療法

暴露療法とは行動療法のひとつで、不安や恐怖を引き起こす場所やシーンを実際に繰り返して向き合うことで、少しずつ慣れていこうとする治療法です。
実際の治療においては軽度から中等度に不安や恐怖を感じるものから練習し、徐々に強くなるものまで繰り返し経験していきます。不安や恐怖が強い場合には、遠くからその場所を見ることや写真を見ることから始めることもあります。
軽いものから少しずつ慣れていくことによって、同じ場所やシーンにおいては不安や恐怖が軽減され、少しずつ自分の自信につながります。なかには数回程度の暴露療法によって、劇的に回復することもあります。

広場恐怖症とうつ病

広場恐怖症は、症状が慢性化すると他の不安障害やうつ病を併発することがあります。
常に強い不安や恐怖にエネルギーを使っているため、落ち込みや意欲の低下といったうつ症状にしばしば陥るケースが少なくはありません。
うつ病は身体疾患や精神疾患とあらゆる病気と併発する可能性があります。2013年には、日本国内の「5大疾病」の1つ、精神疾患に含まれています。うつ病患者数は年々増えていることから、日本では重点的に対策すべきといった方針です。
うつ病かどうかが分からない、うつ病かもしれないといった場合は、精神科や心療内科に相談してみましょう。
また、精神科や心療内科に行きづらいといった場合は、まずはご自身で「うつ病自己診断」をしてみることもおすすめしています。

「うつ病自己診断」は、あくまでセルフチェックですので、正確な診断や対応に迷っている場合はいつでもご相談ください。

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うつ病の新しい治療は
新宿ストレスクリニックで

新宿ストレスクリニックの治療方法

うつ病にはうつ病専門の治療が必要になるため、既に何らかの病気を発症している場合は、なるべく心身に負担のかからない治療法を選択することをおすすめします。
うつ病は基本的には、薬物療法や精神療法が一般的とされていますが、薬物療法は副作用の心配があったり、精神療法では長期療養などのリスクが懸念されていることも事実です。
現代では、磁気刺激治療(TMS)といった心身に負担の少ない治療法がありますので、薬に抵抗がある方や、薬の副作用に悩まれている方に最適と考えられています。
磁気刺激治療(TMS)は、入院の必要もなく、短期的にうつ病治療が可能であり、副作用もほとんどありません。
新宿ストレスクリニックでは、磁気刺激治療(TMS)を中心に、公認心理師や臨床心理士によるカウンセリングも定期的に行っていますので、安心して治療に専念することができます。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

正確な診断を光トポグラフィー検査で

光トポグラフィー検査とは、近赤外光で脳の血流量を測って、うつ病かどうかをグラフデータで現す検査です。検査結果は患者さん自身でも検査当日に確認できますので、現在の自身の状態をしっかりと把握できます。
光トポグラフィー検査は、うつ病の他に、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、健常の4つのパターンで検査結果を割り出します。厚生労働省認可の検査機器なので、安全面でも心配がいりません。
新宿ストレスクリニックでは、光トポグラフィー検査の結果と医師の問診を併せて診察を行いますので、従来の医師の主観のみによる診断よりも、より正確な診断が可能です。

状態を正確に知ることが大切です!
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本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

新宿ストレスクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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