心身症

心身症

心身症とは

心身症とは

「心身症」とは、精神疾患の病名を意味するものでなく、病態名です。
ストレスが蓄積したときに、身体に症状が現れる状態をいいます。ストレスの蓄積を放置すると、脳の神経伝達物質の流れが損なわれ、自律神経がうまく機能しなくなります。
自律神経は、脳から身体への信号を伝えるため、密接につながっているので、身体のさまざまな領域に不調が引き起こされます。主な心身症の病態は、神経系・消化器系・泌尿器系・呼吸器系・循環器系・歯科系・耳鼻咽喉系などさまざまな領域に出現します。
このように、ストレスによって精神的な負担が身体に現れた状態を心身症といいます。

心身症の具体的な症状

心身症は、身体に不調が現れますので、心身症にみられる疾患や症状を理解していきましょう。

心身症が起こる具体的な領域

神経系 冷え性、片頭痛、心因性めまい、筋肉痛、その他の慢性疼痛など
消化器系 腹痛、吐き気、胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、慢性肝炎など
泌尿器系 頻尿、残尿感、夜尿症、前立腺症、尿道症候群など
呼吸系 過呼吸、気管支ぜんそく、神経性咳そう、睡眠時無呼吸症候群など
循環器系 本能性高血圧、狭心症、一部の不整脈、起立性低血圧症、心筋梗塞など
歯科系 突発性舌痛症、口腔乾燥症、歯周病、歯肉炎など
耳鼻咽喉系 アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、突発性難聴、口内炎など

このように、精神的なストレスから自律神経のバランスが崩れることで、軽症の症状から糖尿病や高血圧などの身体の病気にかかってしまうことも少なくはありません。
ただのストレスだからと、心身症の症状を放置していることは極めて危険であり、軽症であっても、治療を行える体力も残しておくことが重要といえます。
また、精神面では心身症からうつ病や睡眠障害、摂食障害など引き起こされることもあり、全ての項目が心身症と特定するものではないことも理解しておきましょう。
心身症は、病気の発症と症状の悪化に精神的ストレスとの関係性が深いと判断された場合に診断されるといわれています。
例えば、糖尿病であれば、普段の治療に変化はないのに、精神的ストレスがかかると、血糖値を上昇させ、不調を招く可能性があります。ストレスというものは体の不調とも深く結びつきます。体だけではなく、心のケアも大切ということを理解しましょう。

心身症による病院の選び方

心身症は、精神面も関係して身体に症状が現れることから、「心療内科」での受診が主に考えられます。というのも、内科等で検査したにも関わらず異常が見つからなかった場合に心療内科を紹介されたりすることもあるからです。
心療内科では、こうした患者さんの心と身体の両方から治療を行うことが多く、内科的な治療と精神的な治療を行っていきます。
また、精神科の場合であってもさほど大きな違いはありません。心身症そのものが、ストレスと連動しているので、ストレスの部分を精神科で、各疾患を疾患の症状に応じた治療方法でと考えると、両面の治療を並行して行えます。また、この考えには、心身症という病態が引き金となって、うつ病やその他の精神疾患を併発する可能性があるということがいえます。
病院選びに迷ったら、まずは、精神症状が目立つのか、身体症状が目立つのかを観察してみて、それにより、精神症状の場合は、心療内科や精神科、身体症状は、内科と心療内科の医療機関を選択することを考えてみましょう。

心身症セルフチェック

ご自身が現在、どのような状況なのかは感覚的には分かりにくいこともあると思います。
精神症状が目立つ=ストレス過多であるか、身体症状が目立つ=体調不良が続いている状態かどうかを、まずはしっかりと整理していきましょう。

精神症状チェック
  • 疲れやすく、やる気が出ない
  • 何に対しても興味や喜びを感じない
  • 1日中憂うつな気分であることが増えた
  • 不眠、過眠、夜中に目が覚める、
    朝早く目覚めてしまう
  • 自分には価値がないと感じる、
    自信喪失状態である
身体症状チェック
  • 食欲低下、食欲増加傾向にある
  • 下痢や便秘、腹痛を繰り返す
  • 胃炎や胃潰瘍などの症状がある
  • 完治したと思っても再発を繰り返す
  • 薬物治療の効果がみられない

これらの項目が複数当てはまる場合は、早めにご自身に合った医療機関へ相談に行きましょう。精神的ストレスが根本にある場合に心身症と認められる可能性があります。身体症状が目立つ場合は、治療期間の経過を参考にしてみましょう。長引いている場合や再発を繰り返している場合などは、根本的な原因が精神的ストレスであり、ストレスが解消できていない場合は、薬の力もうまく働いていない可能性もあります。効果を感じないからと言って、薬を変えたり、増量したりすることになり、かえって症状が改善されずストレスになり、悪循環におちいってしまうこともあるといわれています。
精神症状が目立つ場合は、そのストレスの原因を探り、その後に起こった身体症状であることが分かれば心身症が認められる可能性があります。
ストレスは、誰かに相談したりすることで解消することも手段の1つです。しかし、相談できる相手がいない場合は、蓄積していくばかりです。1人で抱え込んでしまうと心身症からうつ病を併発してしまうこともあります。もし、誰にも相談できない状況であれば、精神科・心療内科を頼ることも重要です。ストレス社会といわれる現代では、精神科・心療内科は気軽に相談ができる場所となっています。誰かに悩みを話すことで、症状が改善される可能性があることを理解しておきましょう。

子どもの「心身症」は
分かりにくい

心身症はどの年代でも発症してしまう可能性があります。
0歳児からの出現の報告もあり、年齢により同じ病名でも、病態が異なったり、ほぼ同じものと考えてよいもの、など年齢が上がるにつれて、種類と患者数の増加がみられます。
病態の特徴は、アトピー性皮膚炎・消化器系疾患(下痢や便秘、嘔吐、腹痛を繰り返す等)・脱毛・心因性発熱などです。
診断も複雑であり、通常の身体的治療の効果がみられなかったり、生活環境や親の精神状態も注意が向けられます。ですので、心身症に当てはまる病態が出現しても、心身症と認識されることが難しいといわれています。代表的な病態は難治性アトピー皮膚炎であるといわれ、症状が長引く場合は、民間療法よりも心身的医療法に頼ることが心身症の早期発見につながる場合があります。

心身症の治療方法

心身症の治療は、身体症状の診察や検査を行うとともに、精神症状の原因を把握し、身体症状と精神症状の治療を並行して行います。

・身体症状の治療方法
身体症状の治療は、内科・外科的治療などでアプローチし、病態や症状の度合いによっては、入院や手術なども行う場合があります。
・精神症状の治療
まずは、ストレスや不安に感じることの根本的な原因を把握することが必要であり、自分自身も現在の精神状態の不調を認めることが大切といえます。
精神科や心療内科において、カウンセリング、薬物療法、行動療法など精神・心身医学的にさまざまな治療でアプローチします。
・生活習慣の見直し
睡眠不足や運動不足、喫煙、飲酒などの習慣を見直します。習慣を改善し、自己管理能力などを学び、改善に役立てます。

心身症は、ストレスと密接な関係があり、症状が重いと日常生活に支障きたし、うつ病や他の精神疾患を併発することが多いといわれています。
言うなれば、精神的ストレスを感じながらも無理をしているため、体が悲鳴を上げている状態です。そのような状態を長引かせないためにも、適切な治療が必要となります。
専門の医師に相談するようにしていきましょう。

心身症になりやすい人

心身症になりやすい人とは、真面目で社会に適応しようという意識の強いタイプの人がなりやすいといわれています。周囲に合わせようとして、適応しすぎてしまうこともあります。そのため、持続的にストレスを受けている状態といえます。
また、受けているストレスには、一時的なストレスと、持続的なストレスがあり、心身症になりやすい人は、一時的なストレスの解消がうまくできない場合があります。
また、ストレスは神経の働きを介して臓器に現れることから、うまく解消できれば身体の不調も出ないように適応していきます。
ストレスがうまく解消できずに慢性化していくと、精神面と身体面に不調を引きこしてしまうということです。
環境の変化や人間関係により、少しでも不調を感じた場合は、専門の医療機関へ頼ることが、改善への近道です。

心身症とうつ病の違い

心身症は病名ではなく、病態名です。日本心身医学会は心身症を次のように定義しています。

「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、 器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。
ただし神経症やうつ病など、 他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」

心身医学の新しい診療指針(心身医学第31巻574頁)

精神面の症状と身体面の症状の不調が出始めたころや、その途中でストレスにより負荷がかかっている状態に強い関わりがあるということです。
また、「うつ病など、他の精神疾患に伴う身体症状は除外する。」と記されていますが、うつ病や他の精神疾患による、頭痛や疼痛、食欲減退などは心身症に含まれないということです。心身症という名称だけで考えると、うつ病などの精神疾患のひとつと考えてしまいがちになりますが、心身症は精神疾患ではなく、ストレスが関わる身体の病気と考えるとよいでしょう。
そのため、うつ病など他の精神疾患も併発してしまう可能性が高いこともあります。
うつ病は、気分の落ち込みや不安、焦燥感、興味、関心の喪失などが主な症状としてあげられます。うつ病の発症にもストレスが関連していることが多く、心身症により、うつ病を併発することは、少なくはありません。
うつ病を併発してしまうと、内科や心療内科だけではなく、精神科にかかることも必要となります。うつ病は、精神面から幻覚・幻聴・妄想・自傷行為や他害行為などを引き起こす可能性があり、内科や心療内科だけでは対処しきれない場合もあります。
まずは、心身症とうつ病の関係性を理解し、不調が長引かないように早めに専門の医療機関に相談することをおすすめします。

薬に頼らない治療とは?
~新宿ストレスクリニックの
ストレス・うつ病の
新しい治療方法~

新宿ストレスクリニックでは、うつ病かどうかを確かめる「光トポグラフィー検査」という客観的なデータと経験豊富な医師による問診を併せて、的確な診断を行います。
光トポグラフィー検査では、うつ病の他に、双極性障害(躁うつ病)・統合失調症・健常をグラフデータで表します。

また、新宿ストレスクリニックは、新しいストレス・うつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」の専門クリニックです。
一般的なうつ病の治療は、多種類の抗うつ薬を服用することが多く、服用期間も長い傾向があります。心身症にも、不安や不眠などの症状がある場合に、処方することもあります。しかし、抗うつ薬には副作用が伴います。副作用は、頭痛や吐き気に始まり、ひどい場合には、希死念慮などの症状が現れたりする危険もあります。途中で服用をやめた場合でも離脱症状に苦しまれる方もいらっしゃいます。実際に抗うつ薬の服用で悩まれる方は多くおり、長い治療期間を要している現状です。
そういった悩みを持つ多くの方が受けられる治療が磁気刺激治療(TMS)です。
新宿ストレスクリニックでは、磁気刺激治療(TMS)を専門とした治療を行い、治療期間も1ヶ月半~6ヶ月と、なるべく体に負担をかけない治療を行っています。長期間うつ病で苦しんでいた方が短期間で改善する可能性が高い治療です。
また、実際に抗うつ薬の服用をゼロにされた方もいらっしゃいます。
薬の服用を開始するにあたって不安な方はぜひ当院へご相談ください。
心身症の精神面で悩んでいる方、なかなか薬の効果が実感できない方などは、セカンドオピニオンとしてお気軽にお問合せください。

本 将昂

【監修】本 将昂医師

2011年京都大学医学部卒業。現在、新宿ストレスクリニックの名古屋院院長。それぞれの患者さんにとって何か最善であるかを考え、患者さんfirstの精神で治療を行います。
精神保健指定医 日本精神神経学会認定精神科専門医

新宿ストレスクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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